いっせい地方選挙が目前に迫る中、河南地域の革新懇ネットワークが、2月28日、富田林市内で「大阪都構想・百害あって一利なし」緊急講演会を開催し、200名が参加しました。
「大阪都構想の批判と対案」と題して、中山徹氏(奈良女子大学教授)が講演しました。
「このままいけば5月に住民投票が実施され、再来年7月に大阪市の廃止となる」と切り出した、中山氏は「都構想とは、①大阪市を廃止し、5つの特別区を 設置 ②今後は堺、東大阪 、吹田などの衛星都市も特別区に編入する」ものであり、都構想の目的は、①カジノ、高速道路、鉄道など大型公共事業を進めるための権限、予算を都に集中さ せる ②新自由主義的な改革を大阪で進めるものだ」と述べ、「これで大阪経済が活性化するはずがない」と断じました。
橋下維新と安倍政権の関係について中山氏は、「都構想を推し進めるためにも、憲法改悪を強行するためにもパートナーとして連携を強めている」と警告し、「いっせい地方選で維新政治と安倍暴走にノーの審判をくだそう」と呼びかけました。
さらに、中山氏は都構想でもたらされることとして、「①市民向けサービスの低下 ②地下鉄、市バスなどの公有財産の切り売り ③市民参加の後退 ④区役所の解体」だと詳述 しました。
住民投票については「住民投票一般に反対ではないが、市民の間で十分な議論がされていないし、投票率に関する規定もなく、推進側の宣伝は行政が税金を使って進めるなど、賛成、反対に対する公平性が保障されていない」と説明しました。
都構想への対案として、「大阪経済の活性化をどう進めるか」について、かつての革新自治体の果たした役割にも触れ、「自治体に求められることは、医療、 教育、福祉の拡充を通じた経済成長をはかることが基本であり、賃金を引き上げることで消費の拡大を図り、中小企業を支援することで経済が活性化する」と述 べました。
最後に、中山氏は運動の進め方について、「良心的保守と革新の共同をさらに広げることで事態が大きく変わる。勝手 に基礎自治体が変えられ、伝統ある大阪市を消滅させていいのかと問いかけ、反対の世論を広げ、反対票につなげよう、反対だから投票に行かないのではなく、 反対だから投票に行ってもらおう」と訴えました。
「都構想は、大阪市だけの問題ではなく、大阪府の枠組みを大きく変えるものであり、河南地域などの周辺部は、ますます行政サービスが低下する可能性がある」と結びました。
今後は、各行政区で都構想について学習を広げましょう。
○参加者感想
「よくわかった。いっせい地方選で橋下・維新のこれ以上の進出を阻止して、後退させるのは大阪の責任だ」「都構想と憲法改悪めざして、安倍・自民と橋下・維新が連携していることをもっと多くの人に知らせなければならない」「推進派に有利な住民投票だ。投票できない我々も、大阪市民に働きかけて、投票所に行き×をつけることを呼びかけよう」「本日の講演をもとに、今度は各市町村別に学習会をしてほしい。革新懇に頑張ってほしい」