大阪革新懇・日韓問題学習会を開催
~歴史認識を踏まえた真の和解へ~
10月4日(金)大阪革新懇は日韓問題・緊急学習会を開催し、地域・職場、賛同団体などから62名が参加しました。韓国問題研究所代表の康宗憲(カン・ジョンホン)さんが、「今日の日韓問題を考える~歴史認識を踏まえた日韓の善隣友好めざして~」と題して講演しました。
康さんは、明治以降富国強兵・脱亜入欧を推進する日本政府が、征韓論により朝鮮支配をすすめた歴史的経過を資料や写真などで詳しく説明。1910年の日韓併合による不当な支配に抵抗する朝鮮人民100万人が3・1独立運動を起こしたこと、その精神が現在の韓国憲法に盛り込まれていることなどを紹介しました。
第二世界大戦後の東西冷戦の激化により、アメリカ政府は対日政策を180度転換し、1951年サンフランシスコ体制(講和条約+日米安保条約)を構築して、アジア戦略の基礎を築きました。康さんは、サンフランシスコ講和条約を「日本の韓国・朝鮮・中国などへの植民地支配の責任を問わない片面講和だ」と、厳しく批判しました。1965年の日韓基本条約では、日本政府は長年の植民地支配を「合意に基づく領土併合であり、賠償問題は生じない」との立場をとっています。しかし、韓国は「強制動員など植民地支配に伴う被害賠償の権利を有する」との立場であり、「歴史認識をめぐる双方の根本的差異が、日韓基本条約の請求権協定が残した課題である」と指摘しました。
昨年10月韓国大法院は、強制動員(植民地支配の不当性)と徴用(合法性:国民徴用令)を区別して、強制動員させられた元徴用工に慰謝料を支払うことを在韓日系企業に命じる判決を出しました。康さんは、「この判決は、日本が1979年に批准した国際人権規約に合致するもの(第7条などで、強制動員の被害補償を明記)」と強調し、「相互理解に基づく真の和解ができてこそ、日本と朝鮮半島の関係が改善できる。そのために日本は過去にあったことを直視する必要がある」と結びました。
講演終了後、参加者一同は「日韓関係改善と北東アジア平和のためのアピール」を採択し、「日韓連帯!私たちは共に生きよう」と韓国語と日本語で唱和しました。
<参加者の感想(抜粋)>
◎大変有意義な講義で感謝します。日韓の状況を打開するには、正しい日韓の歴史認識に立脚した解決が大変重要と思いました。その解決の力は両国市民の友誼・交流と運動の力による以外にないと思います。両国の平和のために市民運動を頑張りたいと思います。
◎ 改めて私たちが侵略戦争と植民地支配の認識、反省を示すことが重要であると思いました。学習を深め、周りの人などに広めていくことが必要だと思いました。人権をないがしろにする維新が、勢いを持つ特異な大阪であるからこそ・・・。日韓関係の悪化についての正確な知識と世界的に進みつつある人権理念とを結びつけて、解決する道を考えることが重要だと思います。