「専守防衛」をかなぐり捨てた「敵基地攻撃能力」保有の安保3文書を撤回し、憲法の平和主義守り、軍事費増額より暮らし守る予算を求めます
2023年1月14日
岸田内閣は12月16日に「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定しました。国会での議論もなく、国民へのまともな説明も一切なく戦後の安全保障政策を大転換させようとしています。これは、2014年7月安倍内閣による集団的自衛権の容認を閣議決定したものから、さらに具体的に踏み込み憲法の平和主義を踏みにじるものです。
2015年3月、安倍内閣時代に「専守防衛」の定義として「相手からの武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ」としています。ところが、浜田精一防衛相は12月20日の記者会見で「他国が我が国に対して武力攻撃に着手した時」と述べました。「着手」の判断を間違えれば、先制攻撃の国際法違反にもなる全面戦争に日本が突入する危険性があります。さらに、安保法制に基づく集団的自衛権行使による敵基地攻撃であれば、他国の戦争に日本が巻き込まれてしまいます。
これは、第2次世界大戦の尊い犠牲のもとで日本国憲法が生まれ憲法9条による「専守防衛」「平和主義」を国是としてきた日本の安保政策の大転換です。
岸田政権は12月23日に2023年度当初予算案を閣議決定しました。それは先の安保3文書に基づき軍事費関連予算は10.2兆円となり歳出増加額7兆円の7割が軍事費関連に充てられる大軍拡予算となっています。相次ぐ値上げやコロナ禍による生活危機を顧みることなく、軍事費を2027年度にはGDP比2%43兆円に向けてひた走る第一歩です。
こうした岸田政権の動きは、憲法蹂躙、国民生活破壊にとどまらず東アジアにおける軍事的緊張を激化させることは必至です。私たちは、安保3文書の閣議決定に撤回すること。軍事ではなく外交による東アジアの緊張緩和と平和を創出すること。国民生活を守る予算を確保すること。以上3点での府民的な運動をよびかけます。
よびかけ人(アイウエオ順)
伊地知 紀子(大阪公立大学教授)
川崎 美榮子(医師・大阪府保険医協会副理事長)
桜田 照雄(阪南大学教授)
杉本 和 (新日本婦人の会大阪府本部会長)
冨田 宏治(関西学院大学教授)
西 晃(弁護士・大阪平和委員会会長)
藤永 延代(おおさか市民ネットワーク代表)
渡辺 武 (元大阪城天守閣館長)