大阪革新懇・40周年記念講演会 100名を超える参加で大きく成功
~危機の瞬間にこそ、未来は大きく変わる~
大阪革新懇は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた40周年記念講演会を、7月11日(土)午後から大阪グリーン会館2階で開催。100名を超える参加者(ZOOM視聴者を含む)が、斎藤幸平大阪市立大学准教授の講演「コロナ禍を経験して、いま資本主義をのりこえる」に、耳を傾けました。 |
斎藤さんは、「貧困と格差の拡大、コロナパンデミック、気候危機など危機の瞬間にこそ、どのような対策をとるのかによって未来が大きく変わる」「危機は社会の分岐点。事態を悪化させるのか、解決させるのかが問われる」と強調。若者の中に広がるアメリカ・ミシガン州の社会主義を求める流れ、2019年イギリス総選挙でのコービン支持率(30歳未満の過半数がコービン支持)などを、パワーポイントで説明。「エコ社会主義など新自由主義にかわる政策を大胆に提案し、これまでできなかったことを実現させよう」と、参加者・視聴者に呼びかけました。
グリーンニューディールを掲げ運動を
とりわけ人類がこの30年間で化石燃料の半分を消費し、気候危機を深刻化させ、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの言動が注目されているもとで、資本主義から決別する移行として、グリーンニューディールを掲げる重要性を指摘しました。
斎藤さんは、「グリーンニューディールは、太陽光パネル・電気自動車など環境問題への財政投資を促進することで、二酸化炭素排出量の減少や環境保全を図りながら、雇用を創出し、景気を刺激し、生活の安定と持続可能な経済への移行を加速させる」と、その意義を解説。その上で、これまでの大量生産・大量消費の資本主義を厳しく批判し、各々がライフスタイルを転換させるとともに、「経済成長を最優先させる経済システムそのものを見直さなければならない」と、語りました。
市民の側から運動を
斎藤さんは、①フランスで気候変動対策を協議する市民会議が設置され、高速道路制限時速を130㎞から110㎞に変更、自動車・肉製品の広告を禁止、富裕層へ気候税をかけるなど149の提案を採択したこと、②スペイン・バルセロナでも今年1月に市民が参加して気候非常事態宣言を制定したことを紹介。日本でも今年1月に日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会が、パリ協定の「二酸化炭素排出ゼロ」を基本目標とした、事業・産業・経済のあり方を追求する気候非常事態宣言を出したことを披露。市民の側から運動をすすめる重要性を述べました。参加者からは、「この危機(コロナ、環境)が、新しい時代の枠組みや基準を求めている。その有力な方向性について話を聞くことができ、大変有意義でした」「社会を変えるチャンスが生まれていることを確信しました」などの感想が、寄せられました。