「講演と文化のつどい」 TBSキャスター金平茂紀さんが講演
12月5日(日)大阪革新懇は、毎年恒例の「講演と文化のつどい」をハイブリッドで開催し、170名が大阪私学会館に参集し、50名がYouTubeで視聴しました。TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんが「世界の取材現場から見た日本~命・くらし・平和・民主主義」をテーマに講演し、落語家の桂文福さんが相撲甚句などで世相を風刺し、会場を沸かせました。
政治とは、身近な環境の理不尽を直していくこと
金平さんは、すべてのメディアが総選挙での自民党の獲得予測議席を大きく外したことを前代未聞と指摘し、それでもメディアは都合が悪いことは報道しないと厳しく批判しました。大阪では自民党右派より危険な維新が小選挙区で全勝したことを怖いと述べ、参加者に「維新の会」とは何なのかと問いかけました。
金平さんは、自民・公明党が政権を継続させ、維新が議席を増大させたことについて分析。1番目に2年に及ぶコロナ禍で国民が疲弊して変化を好まなかったこと、2番目に前任の2人の首相がひどすぎたこと、3番目にメディアが野党共闘の批判を強めたこと、4番目に選挙の政策・論点を深めるメディアの機能が著しく劣化したことを挙げしました。
金平さんは、メディアへの批判を認めながらも、ハロウィンで外出した若者の7割が選挙に行ってないというマスコミ調査を紹介し、戦後3番目の低投票率問題について言及。戦後文部省が発行した「あたらしい憲法のはなし」を引用して、政治を国会・内閣・裁判所に行わせるのは国民であり、国民が当事者意識をもち、主権を発揮することが重要と指摘しました。その上で、政治とは選挙という狭いものではなくて、環境問題、貧困と格差、震災復興など暮らしのなかにこそあると述べ、政治とは身近な環境の理不尽を直していく行動であると強調しました。
最後に金平さんは、先輩の筑紫哲也さんからメディアの役割を、①事実の正確かつ迅速な伝達、②議題設定、③権力監視、④少数者の視点、⑤多様な意見の確保であると教えられたと語り、今こそメディにこれらの視点が求められると述べ、講演を締めくくりました。
野党共闘でまともな政治を取り戻そう
文化行事は、落語家の桂文福さんが多彩な話芸を披露。文福さんは、出身地の和歌山県をネタにかけことばで会場を沸かせ、得意の相撲甚句で菅・岸田政権を痛快に風刺し、野党共闘の力でまとも政治を取り戻し、明るい社会を築こうと呼びかけました。
大阪革新懇代表世話人の川崎美榮子医師が開会あいさつを、大阪革新懇代表世話人の桜田照雄阪南大学教授が閉会あいさつをしました。