大阪革新懇 活動ニュースNo.23

大阪革新懇 オミクロン株感染拡大で緊急要望&記者会見
 “現場はまさに武器なきたたかい”
ワクチンも検査キットもない、ベッドも搬送先もない、人手も情報もない!

 2月14日(月)大阪革新懇は、オミクロン株感染拡大を受けて、大阪府に緊急要望書を提出し、その後記者会見を開きました。大阪府保険医協会の田川研事務局参与と大阪革新懇事務局が大阪府に出向きました。
 午後の記者会見には田川氏に加えて、淀川勤労者厚生協会の長瀬文雄副理事長、大阪府関係職員労働組合の小松康則委員長、大阪社会保障推進協議会の寺内順子事務局長が、現場の実態と課題を切々と語りました。

現場の声を聞き、寄り添う姿勢が求められる―知事の政治姿勢が問われるー

 への要望では健康医療部保健医療室・感染対策企画課等が対応。初めに大阪革新懇小林優事務局次長が、8項目にわたる要望内容を説明し、「まさに災害級の事態であり、カジノ・IRにつぎ込む人と金をコロナ対策に回すべき」と訴えました。
 続いて田川氏が、「ワクチンの医療機関への提供がそもそも少ない。それも定数量で接種実績が考慮されない。ひとり親家庭への配食サービスも市町村格差があり、特に大阪市民から苦情が多い。大規模療養施設は利用者が1人・2人の状態で改善が必要。保健所を通さず医師の判断で対応することも検討すべきではないか。届け出を出していない医者も懸命に対応しているし、センター化して対応する施設を増やし、地域の医者の協力を仰げば迅速に対応できる。大阪市の新規感染者の未入力が問題になっているが、保健センターも活用するよう大阪市へ働きかけるべき」等と、具体的に要望しました。
 これに対して府担当者は、「ワクチン提供の迅速化、ワクチン情報提供については再三国に要請している。大規模接種会場も大阪市内4か所に加え高槻市と堺市に設けた。今週ファイザー製ワクチンが国から新たに届く予定。府としてワクチン専用ツイッターを開設した。配食サービスについては大阪市の入力の遅れや個人情報のこともあるが、緊急性を踏まえ検討したい。大規模療養施設も入所要件を検討し、利用しやすいものにしていきたい」などと応じました。対応した府職員自身も「父親が自宅療養中、子どもの保育園が休園」と、自身の切実な状況を語りました。
 最後に大原真事務局長が、「感染者数も死亡者数も大阪が全国最悪、その認識や検証は行っているのか」と尋ねると、府担当者は「波が落ち着いた時に随時分析して資料をあげている」と返答。大原氏は「とすれば、資料を活用していない知事の責任は重大で、その姿勢こそ問題である」と指摘しました。

コロナの波ごとに繰り返す大阪の悲劇―その告発と抜本的強化を求める運動をー

 午後の記者会見では松永律代表世話人(大阪母親大会連絡会委員長)があいさつ。「コロナパンデミック発生から3年となり第6波の渦中にあるが、大阪はまたも医療崩壊だ。救える命が救えない状況を何としても乗り越えなければならない」と述べました。
 長瀬さんは「オミクロンの感染力は強く病院でも医師3人、職員も20数名罹患した。“救急は断らない”を基本にしていたが、受け入れは近隣市に限定せざるを得ない。発熱外来も25人枠のところに50~60人程度来る。コロナ病床も8床だが25人受け入れている。動線確保のため病床稼働率は6~7割で、経営が心配。ベッドもワクチンも人手もなく“武器なきたたかい”状態だ。職員も罵声を浴びせられ心が折れるが、それでも励ましあいながら対応しているのが現状」と切実に訴えました。
 田川さんは「年末にコロナの検査点数を半減するとの通知があった。現状に逆行するものだ。大規模施設もとりあえず30床稼働、それ以降不透明でありレントゲンやCTもなく発生届がないと利用できないのは現状に合わない。施設が医療機関届も出していないのなら保険適用とならない。様々な問題点が露呈している。テレビではワクチンの供給を盛んに流すが実際現場には届いていないし、情報もない。医療関係者は命がけでたたかっている」と述べました。

保健所体制の強化、ひとり親家庭への支援強化を

 小松さんは「保健所は本来感染予防が仕事。封じ込め出来ずに電話が鳴りやまず、治療につなげるのに苦労している。第1波の時から保健所体制の強化を訴えているがほとんど聞かない。ひとり親の保健師もおり、終電帰宅が当たり前で過労死しないか心配。現場の声を聞かないし、情報もおりてこない。配食サービスについては自治体格差があるし、医師会と連携して治療やその他の支援を行っている自治体もある」と、保健所体制の抜本的な強化がされず、同じ悲劇を繰り返していることへの憤りを訴えました。
 寺内さんは、「2月10日現在51829人の自宅療養者がおり、ひとり親家庭からSOSが急増していると、SOSを発信した親の声を紹介」―“しんどくてトイレ以外は寝ている。カップ麺やレトルトで食いつないできたがお金も食料もなくなってきた”“子どもが38.8℃で家族全員が自宅待機だが、保健所と連絡が取れず不安。食材ももうすぐ尽きる”“私が感染して、8歳の子どもが3歳の兄弟の面倒を見ている。置いていた食料もなくなる”―「これは氷山の一角。39歳以下はファーストタッチ(保健所からの連絡)もなく支援が届かない。特に大阪市内からのSOSが多い。吉村知事はテレビによく出るが肝心なことを言わない」と、ひとり親家庭の惨状を告発しました。
 大阪革新懇は、引き続き賛同団体や地域組織と連携して、コロナ対策の抜本的な強化を求める運動をすすめるとともに、命とくらしを守る政治を実現させるために、国や大阪府、大阪市の政治を転換する取り組みを今後もすすめます。

新型コロナ対策を抜本的に強化し、府民の命とくらしを守るための緊急要望(概要)                       2022年2月14日
1、ワクチン接種について
2、PCR検査について
3、高齢者施設の従事者等に実施している定期的なPCR検査の拡充について
4、保健所体制の抜本的強化、配食サービスの改善、医療機関との連携について
5.検査キットや大規模療養施設について
6.発熱外来補助金の復活と診療報酬の引き上げなどについて
7、営業時間短縮協力金の早期支給をはじめ国や府独自の支援制度について
8.カジノ・IR推進の予算・職員をコロナ対策に回すことについて 

*詳細は別紙「緊急要望」を参照してください。

 

<大阪革新懇2022年度総会>
日時:2月26日(土)午後1時30分~
会場:大阪グリーン会館2階ホール
記念講演:「参議院選挙、今日の情勢と革新懇の役割」
講師:石川康宏神戸女学院大学教授
*会場参加とZOOM参加の併用です。
*参加申し込みは大阪革新懇事務局まで

大阪革新懇シンポ「府民の願いと大阪の未来」 
   ―維新政治の「改革」幻想―
日時:3月27日(日)午後2時~
会場:大阪私学会館4階講堂
参加協力費:500円
*申し込みは3月から

 

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