安全保障や防衛力・抑止力、日米同盟などのマジックワードを見極めて
対話かミサイルか!「安保3文書」を斬る学習・討論会
2月5日、大阪革新懇は緊急企画として「対話かミサイルか 安保3文書を斬る 私たちがめざす日本と東アジアの形を考える学習・討論会」を開催し、会場には49名、YouTube接続は36回線でした。(2月7日現在で167接続)
藤永延代代表世話人が開会あいさつし、「戦争体験者の一人として悲惨さを伝え、平和を守る」と決意を語りました。コーディネーターの富田宏冶関西学院大学教授より「安保3文書の閣議決定は手続き上の問題、その中身、増税を強いることなどの問題点がある。岸田内閣による国会が閉じた途端の火事場泥棒的な態度は許しがたい」と趣旨説明。
最初に、阪田雅弘元内閣法制局長から「2015年の安保法制により海外で武力行使しない自衛隊のあり方が難しくなった。9条だけでなく98条で国際法を守るとしており、『敵基地攻撃能力』の保有は先制攻撃となり、許されない」と指摘。続いて木戸衛一大阪大学大学院教授は、「安全保障は常に他者との関係を考えなければならないが、G7のうちアジアでは日本だけ、中国や北朝鮮とは話し合わないなど今の政権にはレイシズムの考えがある。専守防衛というのはハリネズミの針のような防衛の形で、他国が不安を覚える理由はない。それを、『攻撃は最大の防御』へ大転換しようとしている」とその危険性を指摘。大阪女学院大学の奥本京子教授は、「平和学的なアプローチとして安全保障=securityより平和=PEACEに軸を変えていく問題意識から議論に参加したい。木戸さんが指摘したマッチョな世界をどう克服するか一緒に考えたい。平和学ではコンフリクト(紛争・対立)を戦争ではなく、平和につなげるかアプローチする」と述べました。
これを受けて富田先生より「安倍前首相は『敵基地攻撃能力は敵の中枢を殲滅する打撃力でなければならない』と正直に語った。これに対し、9条による専守防衛、平和的生存権をどう対置していくか議論で深めたい」と提起し議論をすすめました。
杉本和代表世話人が閉会あいさつで「ニュースは大本営発表、政治は大政翼賛会の状況下であるが、学んだ私たちが草の根から対話を進めよう、政治を変えるたたかいを」と呼びかけました。
参加者から「9条を国際的な価値に高めるために頑張りたい」「9条をガラスにしないための市民の運動を拡げたい」「9条が歴史的岐路に立っているという認識がまだまだ足らないのでは、『どうたたかうか』の議論を起こす必要がある」「各ゲストの発言がとても濃密で勉強になった」などの感想が寄せられました。
*学習討論会は、大阪革新懇ホームページの学習討論会YouTubeより2月末まで
視聴できます。