「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」が声明

「学術会議会員の任命拒否」「大学への軍事研究押しつけ」――
憲法(学問の自由)を踏みにじる違法行為に断固抗議する。
菅政権は、任命拒否を撤回し、軍事研究押しつけを直ちに中止せよ!

 菅政権による日本学術会議会員任命拒否は、「独立して…職務を行う」と定めた日本学術会議の存立を脅かし、憲法が保障する「学問の自由」を踏みにじる行為であり、断固抗議します。同時に、直ちに任命拒否を撤回し、6人の学者を会員に任命することを求めます。

 「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」声明全文[PDF]

 もともと日本学術会議は、科学者が戦争に協力してきたことへの痛切な反省にたち、「わが国の平和的復興と人類の福祉増進に貢献せん」と1949年に発足、「戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない」と表明してきました。ところが、安倍政権は2015年9月、憲法解釈を勝手に変え、安保法制(戦争法)を強行成立させるとともに、大学や研究機関を軍事研究に動員する防衛省の「安全保障技術研究推進制度」を開始しました。これに対して日本学術会議が2017年3月に「軍事的安全保障研究に関する声明」を発表、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と表明し、「科学者の研究の自主性・自律性、研究成果の公開性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実」を求めたのは当然です。

 私たちは、2016年度の防衛省「安全保障技術研究推進制度」に大阪市大(山田裕介教授)が応募、採択されたことに衝撃をうけ、直ちに荒川哲男学長宛に「軍事研究の中止」を求めました。そして、日本学術会議の2017年「声明」にも励まされ、2度と大阪の大学が「軍事研究」に与することのないよう、市民と科学者が共同しようと同年5月「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」を結成し、学習、宣伝、申し入れ活動などを行ってきました。

 このたびの菅政権による日本学術会議への政治介入と大学・研究機関への軍事研究の押しつけ、それらを同調・後押しする維新の会の言動は、両者が相通じて平和の憲法を踏みにじって憚(はばか)らない、改憲・軍拡推進の「同じ穴のムジナ」であることを露わにしています。

 歴史を振り返れば、1933年に、ときの文部省に進歩的な学説が危険視され、法学部の滝川教授が辞職に追い込まれた「京大滝川事件」、1943年には、戦争に批判的な学生・教員ら100人が特高警察に検挙され、46人が治安維持法違反で起訴された「大阪商大事件」が起こりました。私たちは、ときの権力が「大学の自治」と「学問の自由」を侵害、学者、自由主義者を弾圧し、戦時体制を強め、侵略戦争へと突き進んだ歴史の教訓を想起するべきです。

 私たちは、学術会議への違法な政治介入と大学・研究機関への軍事研究押しつけ、それらへの同調・後押しを、直ちに中止することを重ねて求めるとともに、平和と民主主義、「学問の自由」を守り発展させる運動に引き続き奮闘する決意を表明するものです。

2020年10月26日 軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪

《事務局団体-大阪革新懇・日本科学者会議大阪支部・大阪平和委員会》
[連絡先・大阪平和委員会大阪市中央区谷町7-3-4-210、℡06・6765・2840]

<アピール> 広範な市民と対話・共同を広げて、再び大阪市廃止・解体の「住民投票」に勝利しよう

2020年9月9日 
大阪革新懇代表世話人会

 大阪維新の会と公明党、自民党大阪府会議員の一部は、8月28日(金)の大阪府議会、9月3日(木)の大阪市会で、大阪市を廃止して4つの「特別区」に解体する「協定書」を議決しました。その結果、大阪市廃止・解体の是非を問う「住民投票」が11月1日(日)に実施されます。
 新型コロナウイルス感染が再び拡大し、重症患者が全国最多となる現在、大阪府・大阪市がやるべきことは、PCR検査の抜本的拡大、医療・介護施設へ支援、中小企業・個人業者への補償、雇用の確保など、命と暮らしを最優先した対策であり、大阪市を廃止・解体する「住民投票」ではありません。

 「特別区」は減収で、住民サービスが必ず低下

 大阪市を廃止して4つの「特別区」に解体すれば、これまで政令指定都市として大阪市がもっていた権限と財源が大阪府に大幅に奪われます。大阪市の税収であった固定資産税や法人市民税などが大阪府に吸い上げられる上に、「特別区」設置のために膨大な費用がかかり、「特別区」は住民サービスを低下させざるを得ません。大阪市役所を合同庁舎として使用するため、新「淀川区」の多数の職員は、淀川を越えて区外にある中之島の合同庁舎に勤務するなど、およそ自治体の体をなさないものとなります。
 8月大阪市は財政試算(2025年度~2039年度の15年間)を公表しましたが、経済や税収の見通しはコロナ禍以前のままであり、大阪メトロ(今年4~6月期は赤字)から巨額の配当を毎年度計上するなど、市民を欺くまったくでたらめな試算となっています。その上試算では、現在24行政区すべてにある屋内プールを15か所、スポーツセンターを6か所、老人福祉センターを8か所、子育てプラザを6か所削減するなど、福祉や文化、社会教育をばっさり切り捨てています。

命とくらし、営業と雇用を守る新しい大阪へ

 今私たちは、新型コロナウイルス感染拡大を通して、政治や社会のあり方を根本的に問い直す機会に直面しています。これまで維新政治がすすめてきた医療・公衆衛生の縮小、公的部門の廃止・民営化などを抜本的に転換し、政令指定都市・大阪市の財源と権限を生かして、命と健康、くらしと営業、雇用と人権を守る地方政治をすすめることが求められています。その方向は、医療・介護・社会保障の充実、豊かな教育・文化の保障、中小企業支援、病院・保健所など公的部門の拡充、一人ひとりの人権尊重です。

広範な市民と対話・共同を広げて、再び「住民投票」に勝利しよう

 「大阪都構想」は、大阪市の財源と権限を大阪府に吸い上げ、「1人の指揮官(知事)」がカジノなどの巨大開発をすすめる体制をつくり、医療や福祉、教育などを根こそぎ切り捨てるものです。維新は、大阪市を廃止・解体した後、堺市や東大阪市など大阪市に隣接する市町村を首長と議会の判断で「大阪都構想」に巻き込みながら、大阪府内の市町村の財源と権限を奪うことを目論んでおり、「大阪都構想」は大阪全体のかかわる重大問題です。
 賛同団体、地域・職場・分野革新懇、個人会員のみなさん、大阪市廃止・解体の「大阪都構想」を再び阻止することは、維新政治に終止符を打ち、カジノ誘致を断念させることにつながるだけでなく、安倍政治を継承する政権に痛打を与えることになります。思想や信条、政治的立場の違いを超えて、無党派や保守の人びとを含む広範な人々と対話・共同を広げに広げて、大阪市廃止・解体の「住民投票」に再び勝利するために全力を尽くそうではありませんか。

<アピール> 大阪革新懇結成40年にあたりアピールを公表

今日より違う明日を拓く―大阪革新懇結成40年の記念日にあたって―

               2020年5月14日 大阪革新懇代表世話人会
 
 進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)は本日結成40周年を迎えました。1970年代の黒田革新府政を支えた“府民型統一戦線”を源流に全国に先駆けて結成され、職場や地域、分野での様々な運動を支えてきました。70年代は社会党、共産党を軸とした革新統一戦線が志向され、地方政治では黒田革新府政など革新自治体が誕生しましたが、80年の「社公合意」により踏みにじられました。その後、統一戦線を志向するものとして革新懇が結成され「革新3目標」(当時)にもとづく草の根からの運動が引き継がれました。90年代のバブル崩壊と新自由主義の台頭は日本社会にも大きな変容をもたらし公共部門の縮小・民営化、貧困と格差の増大をもたらしました。2008年のリーマンショックによる「年越し派遣村」のたたかいや2011年3月の東日本大震災によるボランティア活動、反原発運動など従来の労働組合・民主団体の運動と市民がつながる新しい流れが生まれました。
    そうした下で、2015年の戦争法反対の運動の中から「野党は共闘」の声が上がり「市民と野党の共闘」が発展・深化し、野党連合政権の実現が現実のものになりつつあります。大阪でも昨年11月に革新懇主催で「安倍政権と維新政治を終わらせ、総選挙勝利で野党連合政権めざす立憲野党シンポジウム㏌大阪」を開催するまでに発展しています。今年は解散・総選挙による安倍政権打倒と維新政治との重要なたたかいとしての「住民投票」が予定されていました。しかし、コロナ禍のもとで今後の政治日程は全く不透明な状況です。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が日本を含む全世界を席巻し政治だけでなく地球規模の社会のあり方が問われています。WHO(世界保健機関)が3月11日に「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明し、世界的には累積感染者数426万人(うち死亡者29万人)、日本でも16,024人(うち死亡者668人)となっています。(5月13日現在)
 新型コロナの終息には1~2年はかかるとも言われています。今後の社会と政治のあり方を根本的に見直すことが求められます。11日の国会で立憲民主党の枝野幸男代表は、新型コロナ感染拡大のもとで保健所や公的病院の統廃合が問題になっていると指摘し、「過度な合理化、行き過ぎた『官から民へ』から脱却する必要がある」と主張し、日本共産党の小池晃書記局長は、(枝野氏の発言は)「これからの野党共闘の旗印として非常に重要」と述べました。新自由主義による効率化、民営化で医療や公衆衛生機能を削減してきたこと、学校や幼稚園・保育所の統廃合・大規模化、貧困と格差の増大や経済のグローバル化による国内の生産機能の廃止・縮小などの矛盾が噴出しています。大阪でも「なんでも民営化」を進めてきた維新政治からの転換が必要です。
 大阪革新懇は、結成日にあたって、新型コロナ終息後の日本と大阪の政治のあり方を大いに議論すること、同時に当面国や大阪府に対して「PCR検査、医療体制の拡充」「自粛を言うなら、補償せよ」などの運動を一層強くすすめることをよびかけます。

<アピール> 新型コロナ問題で緊急対策を求めるアピールを発表

 (アピール)新型コロナ感染拡大を防ぎ、命、暮らし、雇用、安全安心を最優先にした緊急対策の早期実現を求めます

                              2020年4月11日
                          大阪革新懇代表世話人会

 新型コロナウイルスによる感染拡大が続いています。WHO(世界保健機関)が3月11日に「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明し、安倍首相も4月7日に緊急事態宣言を出しました。東京、大阪など7都府県を対象として、独自に宣言を出す府県も広がっています。国も大阪府も外出自粛などを呼びかけています。日本社会全体が苦難に陥っている時こそ政治の果たす役割が問われています。
 「世界的にも最大級」と安倍首相がアピールする緊急経済対策については「不安解消にはほど遠い」(9日付け朝日新聞)、「生活危機に応えていない」(8日付け毎日新聞)と手厳しい評価となっています。30万円の現金給付も「収入が減少した世帯」などの絞り込みを行うため、その作業に費やす時間や人員、体制「線引きによる分断」などが各方面から指摘されています。また、「営業自粛」について国は「補償しない」との立場に立っており「自粛を言うなら、補償せよ」の声が日々高まっています。
 全国知事会も4月8日に「中止・休止に伴う営業損失について補償するなど、主催者や事業者が安心して要請に協力していただけるよう、強力かつ実効性のある対策を講じること」と「緊急提言」を行いました。感染拡大を防止するためにも「補償」を行うことは当然ではないでしょうか。同時に、繰り返し指摘されているPCR検査の拡大はじめ医療関係者の要望に沿った医療提供体制の整備に向けた国の支援も重要です。
 大阪府としても「外出自粛」のよびかけに対応し、「自粛と一体で補償を行う」という姿勢が必要です。こうした中、沖縄県は中小企業の独自支援策の検討、静岡県御殿場市はスナック、クラブなど市内の200店舗を対象に今月16~30日の休業を求め、1店舗100万円を上限に売り上げを補償することを明らかにしました。一方、大阪府吉村知事は(要請協力事業者への補償は)「大阪の財政力ではできない」と述べていますが、1000億円近い財政調整基金の活用などで緊急事態にふさわしい独自の支援策を実施すべきです。医療機関や保健所を削減・縮小するのではなく、今こそ拡充に努めるべきです。
 そして、こんな時にカジノ誘致や大阪市つぶしの「住民投票」に人やお金を使うのではなく、府民の命と暮らし最優先の大阪府としての責務を果たすべきではないでしょうか。
 大阪革新懇は、新型コロナ感染拡大をくい止め安心した日本と大阪を取り戻すために国や大阪府に対して「自粛を言うなら、補償せよ」などの運動を一層強くすすめることをよびかけます。

 

<アピール>革新懇運動を強化し、「全国革新懇ニュース」を100部以上普及しよう

<アピール>
 安倍政権でも維新政治でもない新しい政治実現のために
  革新懇運動を強化し、「全国革新懇ニュース」を100部以上普及しよう
                           2020年4月1日
         進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)代表世話人会

 新型コロナウイルスの感染拡大は長期化の様相を呈し、PCR検査体制が整っていない、マスクが不足しているなどの住民不安と医療関係者の疲弊に加え、ヒトとモノが動かず深刻な経済不況を招いています。その上この間の政府や大阪府・大阪市の対策は、必ずしも国民の生活実態や住民感情に即した機敏で大胆なものにはなっていません。
 安倍政権が長引くもとで、公文書の改ざんや「桜を見る会」問題、カジノ汚職をはじめ、政治の腐敗・私物化がかつてなく深刻化しています。大阪では、 維新はカジノや大阪市を潰す「都構想」、行政主導の小学校つぶしに躍起になっています。今こそ、「市民と野党の共闘」を発展させ、安倍政権でも維新政治でもない、国民の命と安全、暮らしと民主主義を大切にする新しい政治への転換が求められています。

 この間大阪では「立憲野党シンポジウム」(昨年11月)、立憲野党が勢ぞろいした堺での「野党シンポジウム」(今年1月)、府内各地での「市民と野党の共同宣伝」が行われ、「市民と野党の共闘」が大きく前進しました。これらの政治状況のもとで、「市民と野党の共闘」を草の根から支える「統一戦線の推進力」としての革新懇運動を強化することは、きわめて重要な課題です。
 大阪革新懇は、府内の革新懇運動の強化・再結成のために、昨年11月に「地域革新懇の拡大・強化、再結成をめざす担当者会議」を、今年1月に「北河内地域事務局長・担当者会議」を、2月に「大阪市内地域革新懇事務局長・担当者会議」を開催し、地域の革新懇運動を励ましてきました。交野革新懇は、5月に青年革新懇を結成するための具体化をすすめ、大阪市内では6月に第2回目の「地域革新懇事務局長・担当者会議」を開く予定です。

 革新懇運動は、国政の課題や地域の要求など何でも幅広く取り組むことができます。情勢や運動、関心ある事を学ぶためには、「全国革新懇ニュース」が最良の情報源です。その意味で「全国革新懇ニュース」の普及は、革新懇運動に背骨を入れる活動と言えます。「全国革新懇ニュース」の購読料は、年 10 回発行で1年間1820円(郵送料を含む)と比較的リーズナブルで、しかも内容も充実しています。大阪革新懇は、地域・職場・分野革新懇、賛同団体、個人会員の皆さんに、広範な市民といっそうつながり革新懇運動を強化するとともに、「全国革新懇ニュース」を広く普及することを呼びかけます。
 大阪革新懇は、今日の情勢に応える革新懇運動の飛躍のために、5月末までに「全国革新懇ニュース」100部以上の普及を掲げています。この目標を達成するために、すべての地域・職場・分野革新懇、賛同団体で10部、20部など自主目標を決めて「全国革新懇ニュース」の普及に取り組んでください。「全国革新懇ニュース」を購読していない、賛同団体や地域・職場の構成員をはじめ個人会員など、運動で結びついた広範な皆さんに旺盛に「全国革新懇ニュース」の購読を働きかけましょう。
                                                      

日韓関係改善と北東アジア平和のためのアピール

      過去の植民地支配に真摯に向き合い、
        日韓関係の改善と北東アジアの平和構築へ、対話・行動しよう

 2018年10月韓国大法院の徴用工判決を契機に、安倍政権による韓国への輸出規制拡大(「ホワイト国」指定除外)、韓国政府によるGSOMIAの破棄、国際芸術祭「愛知トリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」の中止、国際芸術祭への補助金全額不交付、訪日韓国人と対韓輸出の激減など、日韓関係悪化の連鎖は政治・外交にとどまらず経済・文化にも及んでいます。

 日韓関係の悪化の直接的要因は、安倍政権が「徴用工」問題で被害者の名誉と尊厳を回復する責任を放棄したうえ、この問題での政治的対立の「解決」の手段として対韓貿易規制の拡大――韓国の「ホワイト国」からの除外という、「政経分離」の原則に反する「禁じ手」を使ったことにあります。徴用工被害者が在韓日系企業・新日鉄住金を訴えた徴用工裁判を、日本政府は日韓請求権協定(1965年)で解決済みとする一方で、被害者の個人請求権が消滅していないことを認めています。新日鉄住金の前身である新日本製鉄は、1997年徴用工の遺骨問題で人道的視点から真摯に対応し、韓国の遺族に慰霊金を支払い和解しています。これまでできたことが、どうして今回できないのでしょうか。日本のマスコミは、安倍政権の「解決済み」「国際法違反」という姿勢を繰り返し報道するなど嫌韓を煽っていますが、民間訴訟を政治・経済問題などに拡大せず、双方が被害者の尊厳と名誉を回復する立場で真摯に話し合うことこそ求められています。

 日韓関係の悪化の根本的要因は、1990年代以来積み上げられた安倍政権の歴史歪曲の姿勢にあります。安倍首相は、「慰安婦」への反省とお詫びを表明した河野談話(1993年8月)、北東アジアへの侵略を反省し、心からのお詫びを表明した村山談話(1995年8月)、韓国への植民地支配の反省を表明した「日韓パートナーシップ宣言」(1998年)を投げ捨てています。そして、「軍や官憲による強制連行を直接示す証拠はない」と真っ向から否定する答弁書(2007年3月)を閣議決定し、「村山談話」の核心部分を回避した「安倍談話」(2015年8月)を発表するなど、歴史修正主義の姿勢を取り続けています。日本維新の会代表の松井一郎大阪市長は、「愛知トリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」の中止に関して「慰安婦の問題は完全なデマ」と暴言を吐くなど、歴史の事実を歪める立場に終始しています。安倍政権と維新政治の歪んだ歴史認識とそれに基づく外交こそ、異常なものです。

 日韓関係改善のためには、日韓の歴史的背景を学び、過去の日本の植民地支配に真摯に向き合い、誠実に対話することが求められます。東京や大阪では、若者を中心に「差別や憎しみよりも友好を」と日韓両国語で書いたプラカードなどを掲げ、日韓連帯の行動が始まっています。日本人男性がソウルの反アベ集会で日韓友好を願い、通りがかりの韓国人と抱擁する「フリーハグ」が、国内外で大きな反響を呼んでいます。大阪には在日韓国・朝鮮人が多数居住し、日韓友好を強く願っているもとで、私たちは日韓両政府に冷静な対応を求めるとともに、歴史を改ざん・歪曲する安倍政権と維新政治を許さない世論と運動を強めます。そして、過去の植民地支配に真摯に向き合い、日韓関係の改善とアメリカ中心の軍事同盟からの脱却、北東アジアの平和構築のために対話・行動します。

                              2019年10月4日
                        進歩と革新をめざす大阪の会

大阪府教委・君が代不起立に減給処分

大阪府教委は12日、府立高校の今年度の卒業式で国歌斉唱の際、職務命令に従わず起立しなかったとして、51~61歳の男性教諭8人を戒告、女性教諭 (60)を減給10分の1(1カ月)の処分にした、と発表した。2011年に公立学校の教職員に起立斉唱を義務づける府の君が代条例が制定されて以来、減 給処分は初めて。
 府教委によると、女性教諭は昨年4月の入学式でも不起立で戒告処分を受けていた。今月1日の卒業式で校長から事前に再三の指導や職務命令があったにもか かわらず、正門警備の役割分担の職務を途中で放棄して、卒業式会場の体育館内に丸椅子を持ち込んで入場し、国歌斉唱時に座ったという。式の進行に混乱はな かったという。
 女性教諭は12日夕、朝日新聞の取材に対し、「3年間、人権問題を教えてきた生徒の卒業式に、どうしても参列したかった。式場内に教員用の余分な席がなかったため、椅子を持って入った。ずっと立ったままでは、かえって式の邪魔になると思った」と話した。
 女性教諭は3月末で定年退職となり、4月からの再任用は拒否された。府の職員基本条例で定める「同じ職務命令に3回違反すれば原則免職」との規定の対象 にはならないが、処分通知に「次回は免職があり得る」との警告書がついてきた。女性教諭は「若い先生への脅しにもなる。教師も生徒も、ますます物が言えな くなる」と危惧している。